HFT(High Frequency Trades=高頻度取引)とは(2)

HFTとは

HFTの利益の上げ方

裁定取引

続いて、「裁定取引」についてです。

そもそも裁定取引というのは、同じ価値があることや交換ができることが保障されているもの同士に価格差があるときに、安いほうの価格で買って高いほうの価格で売ることにより、その価格差分だけ利益が出る取引のことを指します。

例えば米国の場合、複数の取引所が国内に存在するので、例えばシカゴ取引所に上場している先物とニューヨーク取引所に上場している現物株の一瞬の価格差をとらえて利益をかすめ取るといったことが可能となります。

スパークス・アセット・マネジメント株式会社 SPARX Asset Management Co., Ltd.
SPECIAL REPORT スペシャルレポート 2019 / 04 / 03
高頻度取引(3回シリーズ第1回):高頻度取引とは何か? 水田 孝信

また、最近では冒頭部分でも述べたように米国の個人投資家の間で人気を誇る「ロビンフッド」の裏側の存在として利益を稼ぎだしています。
ロビンフッドは取引手数料が無料で株の売買ができるアプリであることは周知の事実だと思います。
ただ、手数料が無料だとロビンフッドを運営している会社には一銭も入ってこないことになるので、ビジネスとして成立しなくなってしまいます。
そこで活用されているのがHFTで、ロビンフッドは個人投資家の取引をHFTに送ることでHFTからお金を受け取っています。
HFTは受け取った個人投資家の取引を活用して「利ざや」を稼ぐことが可能になるというわけです。
つまり、ロビンフッドにとってHFTは無くてはならない存在であるし、HFTにとってもロビンフッドは利益の源泉でありWin-Winの関係にあるということになります。

日本経済新聞 注文停止、高速取引業者へ配慮の疑念 18日に米下院で公聴会 2021年2月3日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68766130S1A200C2EE9000/