こちらでは、HFTの市場における功罪(メリットやデメリット)、HFTの存在が個人投資家に及ぼす影響についてお話しします。
HFTのメリット
HFTのメリットは大きく二つあります。
一つは「流動性を供給していること」、二つ目が「相場全体の値動きを抑制すること」です。
それぞれのメリットについて完結に説明していきます。
流動性の供給
「HFTとは(1)」でもお話ししたように、HFTは、「マーケットメイク戦略」という市場の形成を通じて、利ざやを稼ぐ戦略を活用しています。
そうした戦略を通じて、HFTを含む高速取引の注文は東京市場全体の約7割を占めるといわれるまでに成長しました。
つまり、ほとんどの投資家がHFTの出している注文相手に取引を行っているということです。
そのことが、「HFTが流動性を供給している」という説明につながるということになります。
HFTの存在が、機関投資家や個人投資家のスムーズな取引に繋がっているという現状を認識してさしつかえないと思います。
相場全体の値動きを抑制する
HFTの多くの注文は、当日中に反対売買によって決済されます。
例えば、HFTが最初に買い注文で入った場合を考えてみると、当日のうちに売り注文を出して決済するということです。
最初に売り注文で入った場合も同様で、当日中に決済されることで、ならしてみると価格に与える影響はほとんどないということになります。
そのため、前日比で見ると値動きは抑制されるということです。
以上の二点が、市場におけるHFTのメリットとして考えられています。